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◆◆ 川崎シェフの今月のお薦め ワイン   番外編◆◆
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■ 川崎シェフがあの三大ドメーヌと出会った! ■

   シャンボール・ミュジニー、ヴォーヌ・ロマネ、ヴォルネーと並べれば、このホームページをご覧になる方は、すぐにブルゴーニュの村々とピンとくるでしょう。続いて、Georges Roumier、Meo-Camuzet、Marquis D’Angervilleといえばこれはこれらの村を代表するドメーヌばかりでなく、ブルゴーニュでも有数のドメーヌであるということもご存知であると思います。これらのドメーヌの当主達が来日、川崎シェフはとる物もとりあえず、11月18日表参道で開かれるというセミナー&試飲会に駆けつけたのでした。
 
このイベントを主催したのは、ブルゴーニュ中心の品揃えで有名なFINESSE(株)、あの富士発酵のワイン部門から独立した会社です。その、FINESSEの藤田社長さんにご便宜を払っていただき、川崎シェフはデジタルカメラを手に颯爽とセミナー会場へと乗り込みました。
 
会場は、表参道の「アニヴェルセル表参道」、会場にはまさに日本中からレストラン・オーナーや酒屋さん、ワインショップの皆さんが集まりました。皆さん年のころ20代30代、これからのワイン文化を考えると頼もしくなるような年齢のかたがたばかりで、我が川崎シェフはどちらかというと、年配者の部類に入るほどでした。




                     ||セミナー|| 


 セミナーはほぼ一時間を三等分する形で、それぞれの当主から説明がありましたが、共通して言っていたのは、ミクロ・クリマも含めて広い意味でテロワールを重視していることでした。それもその筈です。「ブルゴーニュといえばセパージュはピノ・ノワールしかないのです。区別をつけるとしたら、それはテロワールしかないのです。」(クリストフ・ルミエ氏)
 それぞれのご説明にあったドメーヌの歴史や、詳しいテロワールの説明はまたの機会に譲るとして、皆さんのご説明の中から興味を引かれたところをご紹介しましょう。

クリストフ・ルミエ氏(Domaine Georges ROUMIER当主)

私達の葡萄の木に対しては、肥料も除草剤も使いません。こうしたやり方が、今日はこのやりかたでやっている人が多いのですが、ブルゴーニュそしてフランスの中でも少数であることは確かです。一般的な話としてお話しましょう。正直に言いますと、このことに寄らずなんですが、これまで父のようなやり方で、あるいは祖父のようなあり方でやってきた、そしてそれで間違いがないものですから、後を継ぐ身としては変えようと思っても、変えられない、変える度胸がないというのが普通なんです。化学肥料を使って、あるいは除草剤を使ってというのは、簡単に見えるかもしれませんが、実は簡単ではないのです。どうなるかわかりませんからね。そうしてやり方を変えても、なおかつ前と同じ結果を出すためには、かなりの努力を必要とします。かなりの覚悟を伴った取り組みが必要なのです。
こうした栽培法は、理論や学説に裏打ちされたものではないのです。今言ったように受け継がれてきたものなのです。もちろん、有機農法を指示する学説もあることはあります。さらに、月の満ち欠けや太陽の動きなどミステリアスな魔法のようなものまであります。そこまでくるとちょっとついていけませんが、そうしたロジックというのは昔から語り継がれているものは、結果的に正しいものとなっているのです。
さて、肥料を使うということですが、私達は自分達の葡萄を育てるのにテロワールを重要視します。南側に何があるか、西に何があるかということばかりでなく、根が伸びていく下には何があるかという三次元的なものなのです。さらにそれに太陽との関係、風、土壌などを考えることになります。そんなところへ来て、肥料を使うということは、そうした微妙なテロワールを、均一化してしまい。どこでも同じ葡萄が、どこでも同じ結果が出ることになるのです。テロワールに依って、畑の一つ一つの個性を生かしていく、それが私達の仕事です。
地球温暖化の影響は幸いブルゴーニュではマイナス面としては今のところありません。最近よいミリジエムが続くのがそういう影響なのかもしれません。このところ天候がよいのは事実です。何か私達が気づかないところで影響が出ているかもしれませんが・・・。

ジャン・ニコラ・メオ氏(Domaine Meo-Camuzet当主)

ご存知のように、1989年にあの偉大なアンリ・ジャイエさんの畑を継いだわけですが、アンリは、不安がっている私に、若いうちにたくさん失敗したほうがいい、知り尽くした人間を教育することはできないのだから、今のうちいろいろやってみたほうがいい、と励まされました。そのスタート時は、畑は健康で良好な状態であったが、今日、いろいろな面でテロワールが弱ってきているので、注意して管理しているところです。
ひとつは、侵食です。これはブルゴーニュの宿命ともいえるもので、急な斜面が崩れてきているのです。昔ながらの方法で積み上げたり、戻したりはしているのですが。古くからあるブルゴーニュの課題なので諦めムードもあることはあります。私はできることをやっておこうと思い、大々的な整備ではなく、ゆっくりとした整備、例えば崩れやすいいくつかの区画に草を植えるとかそんな方法を考えています。
ふたつ目にはテロワールです。私は、土壌が持っている未来の姿を出すようにしてあげたいと思っています。微生物による土壌の活性化というのもひとつでしょう。例えば腐植土を使ってバイオ方式で土壌に力を与えるということも考えます。除草もなるべく自然な方法で草を取るようにします。「古い木」が並ぶ畑では、土の中の根が複雑なので、草を引き抜くことが大変です。そこで、そうしたところで使えるような特別なトラクターを作りました。また、場所によっては馬を使っての耕地も有効です。どこでもというわけではありませんが、試してみると結果的に有効なのです。
三つ目は剪定の方法です。剪定を早くしてみたり、たくさん鋏を入れてみたり、コントロールをするのも大事ですが、最近はどこもそれをやりすぎる傾向にあるようですね。きちんと畑にあった方法でやるべきだと思うのです。特別な剪定を春にしたり、夏には葉を落として様子を見たりします。少しずつ少しずつゆっくりやる必要があります。非常に時間のかかる仕事なのです。畑を二つに分けて違う方法で試してみて較べながら栽培する、アセンブラージュするというように、ゆっくりやるべきなのです。

ルノー・ド・ヴィレット氏(Domaines Marquis D’Angerville)

19世紀後半のフィロキセラの被害でブルゴーニュが壊滅状態になったが、その後その畑に足を踏み入れた作り手たちはまったく規則なして葡萄つくりをはじめました。これではいけないということで、1919年にはある団体ができ、それが発展して1927年にINAOが出来たのです。その時代から、ミクロ・クリマや区画の違いによって分けていくということをやり始めましたが、そうした改革の途中の1929−35年の経済危機はその改革を後退させ、ワインの醸造に関する規制は細かく決まることはありませんでした。1935年になると、ようやく軌道に乗り始め、アペラシオンの概念や細則にいたるまで決まることとなろました。細則は地区の範囲だけでなく、葡萄がどのような状態であるのか、最低アルコール度、剪定方法、栽培方法、単位面積あたりの最大栽培本数、醸造ほうほうなどに至っています。
これにより、INAOの細則を見れば土地がわかるだけではなく、土壌がどういう状態であるのか、区画によってどのように力が違うのかわかるようになりました。
こうした細則を遵守しながら行くことはもちろんですが、最近出てきている栽培における過度の操作などは考えるべき問題であることは事実です。
最近の取引を見ていますと、
1) ドメーヌものとその他のものに差をつけること
2) 有名で大きな畑やアペラシオンより、小さな特別なアペラシオンに注目すること
3) おいしい、小粋な、高くもないアペラシオンを保護すること
などが必要だと考えるようになりました。
殊に、小さなアペラシオンを無視したり、取り上げなかったりする傾向には憤りさえ感じます。そういうところから、将来の可能性を追及していく要があると思うのです。そうした点はブルゴーニュはおろそかにしてはいけない点で、これからの作り手のやる気の問題なのです。

                        ||試飲||

 
セミナーの後、この三つのドメーヌの試飲が行われました。それぞれ2000年のいくつかの畑からのものがありました。それぞれすばらしく、ピノ・ノワールの複雑さを見せ付けられました。また、2000年だけではなく、いくつか参考出品として93−96年のものも試飲させていただき、ミニ・バーティカルを行いました。「2000年でもうこんな芳醇な・・・」と思っていると「96年でもまだこんなに瑞々しくリッチな味わいが・・・」と、今更ながらこの三つのドメーヌのポテンシャルを感じました。
Domaine Georges ROUMIERのワインはその独特の仕上げがあるようで、畑の違いはもちろんはっきりしているのですが、ドメーヌの共通点のようなものを感じました。またDomaine Meo-Camuzetは逆にドメーヌのアイデンティティーよりも、それぞれの畑の特徴が直接襲ってきました。日本ではあまり評価されていないマルサネの力強さには驚かされました。ヴォルネイのプルミエ・クリュ
を育て上げているDomaine Marquis D’Angervilleのムルソーはこの試飲会唯一のシャルドネでしたが、2000年とは思えないその芳醇さと香りには心を洗われるものがありました。コストパフォーマンスもなかなかなものです。(文責:officeyama)


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